不可算名詞にa(不定冠詞)がつく場合
こんにちは。リノキア英語ブログです。
今回は不可算名詞にa / an(不定冠詞)がつくケースについて書いていきます。
She talked to me with an unusual friendliness.(彼女は普段と違う親しさで私に話しかけてきた)のような文章を見たときに、「friendliness(親しさ)は数えられない名詞なのに、なぜ ”a” がつくのだろう?」と疑問に思ったものでした。
たしか私が高校生だった頃です。
英語に触れてきた方も、同じような疑問を持ったことがあるのではないでしょうか。
でも文法書に解説がないことも多いので、気になったけれど、そのまま放置……なんて状態になっていませんか?
分かってしまえば簡単なことなので、この機会にスッキリさせていきたいと思います。
不可算名詞の種類を知ろう
まず知っておきたいのは、不可算名詞には2種類あるということです。
このうち、a / an(不定冠詞)がつくのは抽象名詞のほうです。
さらに詳しく見ていきましょう。
抽象名詞にa / an がつくケース
不可算名詞に a / an がつくと、「特別感」が足されます。
つまり、一時的なものであったり、普段とは違うものであったり、そのような「特別感」が出ているときに a / an がつくのです。
例文を見てみましょう。
1.She told us the story with an unusual seriousness.
(彼女は、ただならぬ深刻さとともにその話を私たちにした)
2.A deadly sleepiness took hold of me.
(ひどい眠気が私を襲った)
3.A knowledge of physics is necessary for this job.
(物理学についてのいくらかの知識がこの仕事には必要だ)
1,2の英文は、小説やジャーナリズムの文体で目にすることがあります。
seriousness(深刻さ)も sleepiness(眠気)も1個、2個とカウントできないため不可算名詞です。でもそこに a / an がつくことで、「その場だけの特別感」が付与されています。
1の文章からは、なかなか経験することのない深刻さが窺えます。the story もきっと良くない話なのでしょう。こちらにまで緊張感が伝わってきます。
2の文章からは、いつもの眠気とは桁違いの、睡眠薬でも飲まされたかのような異常な眠気であることが感じられます。
3の英文にある knowledge(知識)も1個、2個とカウントできないため、不可算名詞です。そこに a をつけることによって、some(いくらかの)の意味が出ています。
a / an のついた不可算名詞は、文学作品やフォーマルな英文で使われることが多いです。
また、a / an をつけなくても正しい英文になることも大事です。ただ「特別感」を出しているだけですから、無くても困りません。
まとめ
1.抽象名詞にだけ a / an をつけることができる
2.普通ではない「特別感」を持たせるために a / an が使われる
3.文学作品、フォーマルな文章で見られることがある
4.a / an がなくても正しい文になる
「不可算名詞なのに、なぜ a / an がつくのだろう?」と疑問に思った方は、文法力が非常に高いです。
大学受験レベルの英文を読んでいれば、きっと出会えるはずです。気づかなかっただけで、実は見たことがある人もたくさんいることでしょう。
なぜ不可算名詞に a / an がつくのか、その背景がわかってしまえば、そこまで難しいことではありませんね。
細かいことを疑問に思えるのは、それだけ英語を正しく理解しようという気持ちが強いということです。面倒がらずに、疑問を解決していってほしいと思います。
それでは最後までご覧いただき、ありがとうございました。