TOEIC

【レビュー】TOEIC公式問題集10の難易度を語る!

rhinokia-blog

こんにちは、リノキア英語ブログです。

今回は「TOEIC公式問題集10の難易度」について書いていきたいと思います。

『TOEIC公式問題集10』は2023年10月に発売されました。

表紙はブラックで、今までの公式問題集の表紙の色をすべて集めて1つの円にした図形がアクセントになっています。1つの集大成という感じがしますが、普通の公式問題集です。

発売当時は、TOEIC公式問題集がミニ本になったガチャガチャも出て、10月19日の「TOEICの日」に合わせてプロモーションがされました。一番期待するのは新しい公式問題集の発売ですが、個人的には2020年のTOEICの日に行われた「みんなで模試」が一番よかったです。これはオンライン上で問題冊子をダウンロードして、YouTube上でリスニング音声が一斉に公開され、みんなリモートでTOEICを解くというイベントでした。

さて、前置きはこのくらいにして『TOEIC公式問題集10』の難易度について解説していきたいと思います。

ぜひ最後までご覧ください。

テスト1の難易度

パート1:普通

No.1~4が解きやすいですが、No.5,6は難しいです。No.3、5の正解の文で出ている動詞はとても重要なのですが、出会う機会があまりないので、ここで覚えておくのがいいです。ちなみにこれらの単語は、2023年度中に実施された公開テストのパート1にも出ていました。

600点が目標なら5問正解
700点が目標なら6問正解 が目安になります。

パート2:普通

標準的なパート2です。公式問題集にはなるべく模範的な問題を収録してほしいと思っていまして、テスト1のパート2はまさに理想的な問題でした。序盤は直接的なものが多く、大事な単語さえ聞こえていれば正解できます。後半になるにつれて難易度が上がり、文全体の内容理解や、言葉の裏の意味を理解することが求められます。実力者ほど後半での正答率が勝負になりますね。公開テストでも似たようなレベルの問題が出ると思っていて大丈夫です。

600点が目標なら19問
700点が目標なら21問正解 が目安になります。

パート3:普通

キーワードを拾って解ける問題が23問(No.32, 34, 35, 36, 37, 38, 39, 40, 41, 42, 43, 44, 45, 47, 49, 50, 55, 56, 58, 59, 60, 65, 69)、それ以外の16問は言い換えがされたり、セリフやグラフィックの問題です。キーワードで解ける問題が約6割なので、難易度は標準と言えます。キーワード問題でしっかり正解を稼ぎたいところです。また、グラフィック問題は3問とも解きやすかったので、600点目標の方でも全問正解できるといいです。その一方、セリフ問題は難しかったです。ここでペースを崩さないことが大事ですね。そしてNo.48, 52, 54, 57, 63は非常に難しい問題でした。上級者でも、これらすべてを正解するのは難しいでしょう。

600点が目標なら31問正解
700点が目標なら33問正解 が目安になります。

パート4:難しい

かなり難しいです。公開テストでもここまでの難しさは珍しいと思います。キーワードを待ち構えている人を引っかけてくるのが難しさの特徴でした。引っかけというのは、「あ、businessって言ったから(A)が正解だ!」と思っても、選択肢に business を含むものが2つあったり、あるいは business と言った直後に違う単語を言っていて、そっちが正解の根拠だったりすることです。キーワードに飛びつく人を蹴落とすような設計でした。キーワードを聞いて解けるのは15問(No.71, 72, 73, 74, 76, 77, 78, 79, 82, 83, 86, 92, 95, 96, 100)なので少なめでした。それに加え、その中には引っかけ問題が多々あるので、正解数はそこまで伸びないと思います。またセリフの意図問題もかなり難しく、内容が分かっていないと厳しいですね。それに対してグラフィック問題は簡単だったので、2問ともしっかり正解したいところです。とても難しいパート4なので、正解数がいつもより少なくなっても仕方ないかと思います。しっかりと復習をしていきましょう。

600点が目標なら19問正解
700点が目標なら21問正解 が目安になります。

パート5:易しい

文法問題が19問、語彙問題が11問という構成でした。文法問題の内訳は、品詞問題9問(No.103, 105, 107, 109, 111, 113, 116, 121, 123)、動詞問題1問(No.101)、前置詞・接続詞問題7問(No.104, 106, 110, 115, 117, 122, 129)、その他2問(No.119-間接疑問、No.125-関係代名詞)です。品詞問題は基本レベルがほとんどですが、No.111, 116, 121はTOEIC700点以上を目指すのなら正解したいところです。動詞問題は易しくて、前置詞・接続詞は標準的でした。語彙問題も全体的に易しめでした。正解数は多めに出るかもしれません。

600点が目標なら21問正解
700点が目標なら24問正解 が目安になります。

パート6:普通

とても平均的なレベルのパート6で、人によっては「易しい」と感じるかもしれません。ただ、No.135とNo.142は、悩む人が多いかもしれない難しめの問題でした。きちんと文脈を追い、消去法も使いながら選ぶと安心です。ですが、それ以外の問題は普通レベルです。No.141は分詞構文が出ているので文法レベルは高めですが、直後の単語がヒントになっているので、何となく正解できてしまいそうです。

600点が目標なら11問正解
700点が目標なら13問正解 が目安になります。

パート7:やや易しい

最初のNo.147-148が難しめなので警戒しましたが、最後まで解いてから振り返ってみると、解きやすい問題が多かったという印象です。シングルパッセージはとくに解きやすかったです。No.155で引っかかる人がいるかもしれませんが、それ以外は標準的なレベルでした。練習素材としては最高です。初心者の方でも安心して使える、理想的な公式問題集です。

マルチパッセージも全体的に見れば標準レベルです。No.186-190のトリプルパッセージだけ難しいですが、あとは解きやすいと感じるかもしれません。公式問題集はいろいろなレベルの人が使うので、標準的な難易度にしてくれるとありがたいです。

600点が目標なら29問正解
700点が目標なら34問正解 が目安になります。

テスト2の難易度

パート1:やや難しい

テスト1と比べると、語彙レベルが断然上でした。知らない単語が多くて苦戦したという方も多いのではないでしょうか。No.1から難しかったです。もっとも難しいのはNo.6で、これを自信を持って正解できたのであれば、素晴らしいリスニング力です。

600点が目標なら5問正解
700点が目標なら6問正解 が目安になります。

パート2:難しい

内容理解ができていないと正解できない問題が多く、聞こえる単語が2,3個だけという状態だと間違いなく苦戦します。さらに、内容が分かっていたとしても、ふさわしい答えを見つけるのが難しい問題もありました。No.18, 20, 22, 26, 27, 31の合計6問は非常に難しいです。上級者を惑わせ、初級者を顧みないレベルということで「難しい」と判断しました。

600点が目標なら18問正解
700点が目標なら21問正解 が目安になります。

パート3:難しい

テスト1よりもはるかに難しかったです。キーワードを拾って解く問題の数はテスト1と大差ないのですが、テスト1よりも内容理解が重視されており、なおかつ先読みの文章量が多いので、負荷が高いです。オーストラリア人のナレーターがテスト1とは違う人でした。個人的にアhテスト2の人のほうが難しいです。難しい問題は、冗談抜きで難しいので、正解を見つけようと粘ってしまうと、先読みする時間がなくなり、悪循環に陥る可能性があります。受験者泣かせの難しさですが、こういうレベルを経験しておくのも良いことです。1つ救いがあるとすれば、最後のNo.62-70が急に簡単になることです。諦めなければ、解ける問題は必ずやって来るということですね。

600点が目標なら29問正解
700点が目標なら32問正解 が目安になります。

パート4:やや難しい

テスト1ほどではないですが、難しいです。キーワードを拾って解けるのが16問(No.71, 72, 73, 74, 75, 76, 77, 78, 79, 80, 82, 88, 90, 91, 96, 100)あるので、正解数は確保しやすいのですが、それ以外の問題は難易度が高めでした。セリフ問題、グラフィック問題も難しいです。本番だったら成績が二極化しそうな感じです。先読みの文章量も多めなので、リーディング力も欠かせません。テスト2のリスニングは、全体的に難しいです。

600点が目標なら19問正解
700点が目標なら22問正解 が目安になります。

パート5:やや難しい

文法問題が19問、語彙問題が11問という構成で、これはテスト1と同じです。文法問題の内訳は、品詞問題8問(No.101, 103, 109, 113, 117, 119, 123, 129)、動詞問題3問(No.111, 115, 121)、前置詞・接続詞5問(No.104, 107, 114, 125, 130)、その他3問(No.105 – 不定詞、No.112 – 関係副詞、No.127 – 関係代名詞)です。品詞問題が難しめでした。5文型や、1つの単語が2つ以上の品詞を持っていることなどを知っている必要がありました。動詞問題は標準レベルで、前置詞・接続詞はちょっと難しいです。その他の3問はいずれもハイレベルでした。関係詞はテスト1,2両方に出題されていたので、これを機にしっかり勉強して理解しておくと良さそうです。語彙問題はわりと解きやすい難易度でした。

600点が目標なら21問正解
700点が目標なら24問正解 が目安になります。

パート6:普通

テスト1より若干難しいですが、標準レベルの域を出ません。文書トピックもTOEIC定番で、反復して使っていきたい公式問題集にとってぴったりのレベル&内容です。No.131, 135, 143の3問はちょっと難しいです。600点レベルだと苦戦するかもしれません。それ以外は文書トピックが分かれば読みやすく、解きやすいので、正解数を伸ばすのはそれほど大変ではないかと思います。テスト1,2どちらも模範的なパート6なので、何度も読み返して、内容をしっかり覚えておけるといいですよ。

600点が目標なら10問正解
700点が目標なら13問正解 が目安になります。

パート7:普通

シングルパッセージでは記事問題が3つもあるのが印象的でした。単語レベルが難しいので、苦戦する人も多いでしょう。記事問題が難しいのは当たり前のことですが、他にも難しめの問題が散見され、全体的にはちょっと難しいシングルパッセージという感じです。でも本番も同じくらいの問題は出ますから、ビビってはいけません。

マルチパッセージは易しいのが多かったです。まずダブルパッセージ、トリプルパッセージともに文章量が少なめでした。設問もシンプルなのが多く、解きやすいです。No.179, 183は難しいですが、そこで足止めされなければスイスイ進むのではないでしょうか。シングルパッセージをいかに速く片づけ、マルチパッセージに入れるかが勝負ですね。これは本番も同じです。

600点が目標なら29問正解
700点が目標なら34問正解 が目安になります。

しっかり復習しよう!

TOEICの問題レベルを再現するのは、簡単なように見えてほぼ不可能です。

出版社が出している模試と見比べると分かるのですが、公式ではない模試は、TOEICの公式問題集とは似て非なるものです。

あるものは難しすぎだったり、あるものは意地悪すぎだったり、本物のTOEICとズレてしまっている模試がほとんどです。

その点、公式問題集はTOEICを作問している団体が作っているので、そのクオリティは間違いなく「本物」なのです。リスニングのナレーターも、問題の難易度も、トピックの質も、TOEIC公開テストやIPテストで目にするものと同じなのです。

だからこそ、公式問題集はしっかり復習すべきなのです。

公式問題集の解説はあまり親切ではないため、独学でやっていると疑問が解消できないこともあるかもしれません。そういう時は、勉強会で質問してみたり、スクールに通ってみたり、SNSでTOEIC上級者に聞いてみるのがいいです。困っている学習者がいたら、きっと助けてくれるはずです。

公式問題集を復習し、弱点を見つけ、自分に合った勉強法で克服することで、TOEICのスコアは伸びていきます。言い換えれば、自分と向き合わないといけません。時には孤独を感じたり、壁にぶつかることもありますが、同じように公式問題集を使ってスコアアップを目指す仲間は全国にいます。

ぜひ、公式問題集を使い倒して、目標スコアを達成してください!

それでは最後までご覧いただき、ありがとうございました。

今回の記事が、テキスト選びの参考になれば幸いです。

スポンサーリンク
ABOUT ME
リノキア
リノキア
英語講師 / ブロガー
中学生で英語を始め、1度も海外に出ることなく英語力を上げてきました。

大学卒業後、学習塾で高校・大学受験指導、TOEICスクールにてTOEIC指導を経験。

現在は独立して自分の英語スクールを運営しています。

【保有資格】
TOEIC990点
英検1級
全国通訳案内士
スポンサーリンク
記事URLをコピーしました