レベル高めの例文メイン単語集
エイゴドーラクのもこです😎
今回は『TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のセンテンス』のレビュー記事です。
2019年2月に発売した『金のセンテンス』(通称:金セン)は、これまでの『金フレ』『銀フレ』シリーズとは異なり、例文をベースにした単語集となっています。
1つの例文に、TOEICによく出る重要単語・表現が2~7個入っており、見出しの単語・表現として1500語が収録されています。
ただ、他にも派生語や付録がついているので、実際に収録されている単語数は1500よりもずっと多いです。
人気の単語集『金フレ』『銀フレ』が見出し1000語だったのと比べると、ボリュームは単純に考えても1.5倍あります。
それだけの量の単語・表現が、360個の例文に凝縮されていますので、かなり効率的な単語学習ができるテキストです。
まさに『Duo3.0』のTOEIC版という感じですね。
※知らない方のために補足しますと、『Duo3.0』というのは、1つの例文から複数の重要単語を学ぶスタイルの単語集です。単語ごとに例文がついていた従来型とは異なり、効率性を重視した『Duo3.0』は、非常によく売れて、多くの英語学習者を救ってきました。
私も学生のころに『Duo3.0』にはお世話になりました! すごく良いテキストですよ✨
上のリンクから、Amazonで中身が見られますので、ぜひご覧ください。
話が『Duo3.0』のほうに飛んでしまいました。
ここから『金のセンテンス』を詳しくご紹介していこうと思いますので、最後までお読みいただけると嬉しいです😊
対象レベルは?
・TOEIC700点以上の方(リーディング300点以上)
・この1冊に専念できる方
『金のセンテンス』の前書きにあるのですが、このテキストは高校基礎レベルの単語を身につけている人を対象にしています。そして、そのレベルに到達しているか不安な人は、『銀フレ』から始めるよう勧めています。
「高校基礎レベルの単語」というのが具体的にどのレベルを指すのかは後述するとして、私が実際に使用した感じや、TOEICレッスンで生徒さんに使ってもらった印象からすると、最低でもTOEIC700点以上が取れるくらいでないと、レギュラーテキストとして使っていくのは難しいと思います。
さらに言えば、リーディングだけで300点以上取れていて、なおかつ大学受験を通して文法をしっかり学んでいる人のが望ましいですね。
そうでないと、分からないことだらけになって挫折してしまう可能性があります。
その理由をいくつか書いていきますね💡
高校基礎レベルでは足りない!
高校基礎レベルの分かりやすい目安としては「英検」が挙げられます。
だいたい高校基礎だと「英検準2級」、あるいはもうちょっと範囲を広げて「英検2級」が該当するレベルになります。
英検準2級・2級を持っている方が、TOEICでどれくらいのスコアを取れるかというと、私がこれまで見てきた例を参考にすれば、350~650点の範囲になります。
また、私立高校にはTOEICのスコアを内部進学条件、もしくは卒業条件として課しているところもありますが、だいたい求められるスコアは400点前後です。
高校卒業レベルでもTOEIC400点ほどですから、基礎レベルとなると、200~300点あたりになるのではないでしょうか。
ビジネス経験のない高校生の英語力をTOEICで測ることがそもそも難しいのですが、それを差し置いても「高校基礎レベル」があるくらいでは、それほど高得点は取れないと思います。
そのあたりのスコア帯の人が『金セン』を使っていくとなると、ちょっと厳しいところがあります。
だから私個人としては、「高校基礎レベル」ではなく、「TOEIC700点以上(リーディング300点以上)」が取れるかどうかを『金セン』を使う基準にしたほうがいいと思うのです。
例文がけっこう難しい!
もう1つの理由は「例文のレベル」です。
『金のセンテンス』は、最初のほうは易しめの例文になっており、だんだんとレベルが上がっていきます。
とはいえ最初のほうにも「すこし難しい」と思われる文法が出ていたりするんですけれどね💦
例えば「to不定詞の否定」です。
He asked me not to close the window. にあるような to 不定詞に否定語がついた文法で書かれている例文があるのですが、文法がわかっていないと意味が取れませんよね(※ちなみに、これは実際の例文ではありません)。
「高校基礎レベル」では、けっこう知らない方も多いと思います😢
ほかにも「すこし難しい」と思われる文法がちょくちょく出てきますが、『金のセンテンス』には文法や構文の解説はないため、知らなければ調べるしかありません。
知らない文法を自分で調べて解決するにも英語力は必要ですから、やはりTOEIC700点くらい持っていないと、独学でやっていくのは大変です。
もし先生などに教えてもらうことができるのなら、分からないところはドンドン質問しましょう。質問を解決しやすい環境にあるのなら、安心して『金のセンテンス』を使うことができます。
『金のセンテンス』を使うのであれば……
・リーディングで300点以上の実力を備えているべし!
・「高校基礎レベル」という言葉を甘く見てはいけない!
・自分で調べられる実力も必要になる!
どう使うべき?
ここまで『金のセンテンス』の難しい面ばかりを主張してしまいましたが、なんだかんだ言っても素晴らしいテキストです。
とくに800点や900点といった高得点を目指していくのなら、必ずや良きパートナーとして活躍してくれることでしょう!
TOEICに出る要素がぎゅっと凝縮された例文をどう勉強していくか - それを私個人が実践したことからお伝えしていこうと思います✨
1.音読 - イメージを浮かべて読もう!
『金のセンテンス』の例文は、ただ黙読するだけではもったいないです。
自分のものとして定着させるためにも音読を必ず取り入れましょう。
コツとしては「イメージを浮かべること」です🎈
自分がリアルな場面でその例文を喋っているところを想像しながら音読するのです。
しっかり目の前に相手がいると思って音読してください。
文章から詳細なイメージを立ち上げられるようになると、リーディングを「訳重視」ではなく「イメージ重視」で読めるようになります。この能力が身につくと、読んでいるうちに内容を忘れてしまったということが少なくなります。
2.ディクテーション - 例文を聞き、それを書き取る!
『金のセンテンス』は特急シリーズですので、TOEIC学習用アプリ「abceed」で音声を利用することができます。
例文ベースの学習ですから、音声を使わない手はありません👌
「音声を聞く→ノートなどに書き取る」というディクテーションをすることで、リスニング力を高めながら文法・構文の理解が深められ、同時に単語のスペルも覚えられます。
最初は5~6回聞かないと英文を最後まで書き取れないと思います。
何度聞いてもわからない箇所もあるでしょう。
何度聞いてもわからないものは、すぐに英文を見てチェックしてください。
そして翌日、同じ箇所をやってみましょう。書き取れるようになっていれば大丈夫です。
これを繰り返し、最終的には1回聞いただけで例文を完璧に再現できるようになるまで続けていきます。
繰り返すうちに英文を覚えてしまうこともあるかもしれませんが、上達には「覚える」ことが不可欠ですので、積極的に覚えてしまってください😊
そうして体に刷り込まれたものは、意識せずとも自分の言葉として出てくるようになるのです。
3.シャドーイング - インプットにもアウトプットにも効く!
『金のセンテンス』の例文は、どれだけ長くても23語以内です。
これはPart5の1文あたりの長さを意識しているからだそうです。
おかげで『金のセンテンス』は、シャドーイング教材として使いやすいという利点があります✨
まだシャドーイングをしたことがないという方は、『金のセンテンス』でシャドーイング入門してみてはどうでしょうか。
最終的にはPart3,4くらいの長さでシャドーイングできるのがいいのですが、慣れるまでのつなぎとして『金のセンテンス』は使えると思います。
4.例文暗唱 - いずれは英語を使いたいのなら、ぜひ!
徹底的に使い込むのであれば、例文暗唱もオススメです。
TOEIC L&Rテストは「聞く・読む」のスキルしか試されないので、「英会話」という点になると、どうしても直結するような勉強がしにくい弱点があります。
しかし、例文暗唱はリスニング・リーディングを伸ばすのと同時に「会話力」も伸ばしてくれる勉強法です。TOEICで目標スコアを達成するだけでなく、将来的に英語を使って仕事がしたいのであれば、例文暗唱は非常に効果的ですよ😍
360文すべての暗唱を目標にしてもいいですし、「これは自分で言えるようになりたい」という例文だけをピックアップして暗唱できるようにするのでもいいです。
ただし、注意してほしいのが、英文を理解したうえで暗唱するということです。意味のわからないまま呪文のように反復しても効果はありません。
どんな仕組みでその英文が作られているのか ― それが分かった状態で暗唱して初めて自分の言葉として使えるようになるのです💡
文構造や文法がわかっていれば、自分で例文をアレンジして完全オリジナルの英語を作り出せるようにもなりますからね! 例文暗唱は、自由に話すための下準備と言えるでしょう。
5.日 → 英で訳す
私はずっと日本で英語を学んできたため、「まず日本語で考えてから、それを高速で英語に直す」というステップを踏んで英語を話すことが多いです。
「英語で考えて英語で話す」というのは私にとっては難しく、日本語で「こう言いたい!」というのを即座に英語に変換できるように日々英語を学んでいます。
したがって、日→英で訳す練習はとても効果的なのです✨
先の例文暗唱とも似ていますので、私は暗唱とセットで取り組んでいました。
例文暗唱は「何も見ないで」英語を言うのに対して、日→英訳は「日本語を見たうえで」英語を言います。
たったこれだけの違いですが、まったく別のことをやっている感覚がありますよ! きっと使っている脳みその部分が違うのでしょうね💡
・『金のセンテンス』では、いろいろな勉強法が試せる!
・中でも音読は必須でやりたい勉強法!
・自分のレベルや目標に合わせて、適切な勉強法を選ぼう!
まとめ
★★★★☆:難易度が高めなので、使う人を選びます
『金のセンテンス』は上級者向けのテキストです。
しかも1冊しっかりやるとなると、様々なアプローチから取り組まないといけないので、かなり時間をかけて進めていく必要があります。
読んで終わり、音読して終わり、くらいのライトな使い方になるようであれば、別の単語集をやったほうが良いです。
いろいろなテキストを片っ端からやっていきたいという方にも向いておらず、『金のセンテンス』をやるなら浮気をしない覚悟がなくてはいけません。使うのであれば、『金のセンテンス』と心中するつもりでいきましょう❤️
ただ、TOEICに必要なことが凝縮されたテキストですから、1冊しっかり使いこなせば必ずスコアアップします。
また、『金のセンテンス』を使ってみたいけれども、使いこなせるか不安という場合は、先生などに質問できる環境でスタートしたほうが良いです。
なかなか1人でやるのは大変ですし、シャドーイングや暗唱をするのであれば、チェックしてもらえる場があったほうがモチベーションも上がりますからね。
まずは書店へ行って、実物を見るところから始めましょう! そして合いそうだなと思ったら、ぜひ使ってみてください💪
それでは最後までお読みいただき、ありがとうございました。